NPOで働きたいという人が増えていますが、正直失敗している人も少なくありません。そこでこの記事では多くの転職相談に乗ってきた経験から失敗事例を解説します。
<プロフィール>
✔️ 国際NGOに10年勤務
✔️ 自身も企業からNPOへの転職を経験
✔️ NPOで働きたい人の転職相談に乗ってきた
NPO転職への失敗事例
企業からNPONGOに転職した人の失敗事例を紹介します。
海外の支援現場で働く女性スタッフの事例
企業で営業職から転職し、念願のNGO職員になった田中さん(仮名)の事例です。東南アジアのある国に2年間駐在予定で渡航したものの、6ヶ月で帰国を余儀なくされた田中さん。その理由は、人間関係のもつれと健康問題でした。
正義感が強く真面目な田中さんは、事業に対する考えや仕事の進め方で現地スタッフと考えがあわず意見がぶつかることも。その結果、現地スタッフとの関係性が悪くなってしまいました。
【参考】海外のNPONGOは日本とは違い給料が高いことがあります。そのため、現地スタッフは優秀であるものの、活動自体に思い入れがないこともあります。
「困っている人を助けたい!」との想いが強すぎると、考えや気持ちのズレに戸惑ってしまうことも。また、日本と途上国では仕事の進め方やスピードが違うので、その違いを理解することは大切です。
田中さんの場合は人間関係のもつれから、精神的に病んでしまいました。その結果、駐在予定の期間を終えることなく帰国し退職することになったのです。
国内で働く男性スタッフの事例
新卒で企業に就職し、3年間勤めた後に国内のホームレス支援をするNPONGOに転職した加藤さん(仮名)の事例です。独身の加藤さんは、NPONGOに転職することについては両親に伝えていました。
しかし、転職後に給与が大幅に下がったことを両親が知ると、NPONGOで働くことに反対。終身雇用や年功序列の時代に生きていた両親にとって、NPONGOの給与体系や福利厚生に納得できず、また息子の将来への不安が募ったそうです。
加藤さんは今もNPONGOで働いているものの、未だに両親はNPOで働くことに反対しているため、仕事については話すことができないそうです。
NPOへの転職を考えている人に伝えたいこと
周りの理解を得ておこう
NPOの仕事は本人にとってはやりがいを感じるものの家族への理解が得られないこともあります。その理由には、前述した給与面などのデメリットが挙げられます。
また、NPONGOへの社会的理解が深くないゆえ、間違った理解をしている人もいます。こうした勘違いを懇切丁寧に説明して理解を少しづつ得ていくことが重要です。
職員として働く、という方法以外でNPOと関わる方法もある
NPOで正規職員で働くことはやりがいもありますが、難しい面が多いのも事実。給与が低いだけでなく、(民間企業で働くのも大変だと思いますが)たくさんの困難が待ち受けています。そうしたさまざまな困難があることを前提に転職するのがまず重要です。
一方、NPOの活動の役に立つという意味では働くだけでなく「寄付」も非常に効果的です。というのも寄付は資金の使途が自由でありNPOにとって非常に価値が高い収入になるからです。
例えば、国際協力をする団体の一つに「ワールド・ビジョン・ジャパン」があります。世界の困難に直面する子どもたちを支援しており、手紙を通じてこどもと直接交流することができます。こうした団体に寄付することも立派な社会貢献ですよ!
社会の役に立つ民間企業へ転職する
どうしても周囲の理解が得られないのであれば、民間企業で働くことも選択肢に入れましょう。というのも社会の役に立つ仕事をしているのはNPOだけではないからです。最近ではSDGsに取り組む民間企業も増えてきており、プロの転職エージェントに相談してみるのも一手です。
特におすすめなのが転職活動が社会貢献に繋がる転職エージェント「フミダス寄付プロジェクト」です。採用企業からの費用のうち10%が公益財団法人を通じて社会貢献活動を行う団体へ寄付されます。ぜひ転職を考えている人はチェックしてみてください。
フミダスプロジェクトについて、NPOで働く!編集部の解説を読みたい方はこちらの記事をご確認ください。
まとめ:NPOへの転職は困難が多いがやりがいも大きい
この記事ではNPOへの転職についてネガティブな面を多く語ってきました。それでもまだNPOへの転職を諦めたくない、という方はぜひその熱をあきらめずに持ち続けてください。
NPOへの転職については具体的には以下の記事でより詳しく解説しています。ぜひご覧ください!