「NPOで働くことに興味がある」
「実際に働いている人の本音を聞いてみたい」
「実際にどうやって仕事を探せばいいのかわからない」
SDGsが浸透しNPOで働きたいと考える人も増えてきました。しかしNPOで働くことは給料が安いなど、あまり良いイメージがない方も多いと思います。
そこで、この記事ではNPOで働くメリット・デメリットを紹介するのはもちろん、おすすめの求人情報サイトまで紹介します。
<プロフィール>
✔️ 国際NGOに10年勤務
✔️ 自身も企業からNPOへの転職を経験
✔️ NPOで働きたい人の転職相談に乗ってきた
NPOで働くメリット
社会に貢献しているやりがいを感じられる
NPOで働く際に、2つのやりがいがあります。1つめは支援を必要する人と直接ふれあえることで感じるやりがいです。支援に対するお礼を直接支援をしている人に言われたり、課題が解決されていく変化を見届けることができることです。
2つ目は解決するのが困難な社会問題に取り組むやりがいです。やりがいや達成感は、仕事を続ける上でとても大事な要素であると思います。
「人身売買がなくなる世界にしたい」「日本の自殺者を減らしたい」など、NPONGOが取り組む課題はどれも解決するのは容易ではありません。そういった課題に取り組み、挑戦することでやりがいや達成感を感じるのです。
人生を豊かにする出会いがある
様々な人との出会いは、NPOで働く魅力の1つです。ボランティアやインターンの他、支援をする個人や企業など。年齢や性別、国籍もバラバラであったりします。海外を支援するNPOであれば、普段の生活では出会うことができない地域の人たちとの交流することができます。
支援する立場であっても学ぶことがたくさんあります。例えば、家族やコミュニティに対する深い絆や思いやりや、学ぶことに対する貪欲さなどです。
このように、NPOを通して出会った人脈は、お互いに利害関係がないことが多く、個人の人脈としても関係性が続くのです。また、このような出会いが自分自身の人生を豊かにする要因にもなると思います。
多様で柔軟な働き方ができる
働き方に融通が利きやすいのも、NPOで働くメリットです。新公益連盟が実施した「ソーシャルセクター組織実態調査」によると、2017年は一般企業のリモートワーク率は11%だったのに対して、NPO法人のリモートワーク率は64%となっていました(参考:ソーシャルセクター組織実態調査)。
2022年現在、新型コロナの影響でリモートワークが企業でも推進されていますが、NPO法人は5年も前から柔軟な働き方を実現してきたといえるでしょう。NPOは多様性を尊重するため、服装や髪型などの規則は緩い団体が多いです。
NPOで働くデメリット
NPOで働くことは社会を良くする仕事に就くことができる反面、デメリットもあります。
給与水準が低い
NPOへの転職で高いハードルになるのが低い給料水準です。内閣府が実施した「特定非営利活動法人に関する実態調査*」によると、全国のNPO法人の常勤職員の給料は平均年収231万円となっています。また、賞与がなく、退職金がないNPONGOがほとんどです。
一方、国税庁の令和2年分の調査*によれば、企業の平均給与は433万円となっており、NPO法人の平均年収が企業にくらべると低いことが分かります。こういった金銭的なデメリットをカバーするため、副業やパラレルワークを許可する団体も多く、いくつかの収入源をもつスタッフもいるのが現状です。
参考:平成 29 年度 特定非営利活動法人に関する実態調査
参考:国税庁「令和2年分 民間給与実態統計調査」
手薄な福利厚生
NPOの福利厚生は最低限であることがほとんどです。職員が安心して働けるように、雇用保険、社会保障やボランティア保険への加入などが用意されている団体は多いですが、それ以上のサポートは期待できません。
法定外福利厚生とされる、住宅手当や寮の完備、保養施設の利用や結婚、出産祝い金などがある団体は稀であると言えます。
また、上記で述べたように退職金がない団体が多い上、社内貯蓄制度などの資産形成・運用サポートがないため、将来の為の資産運用は自ら考えないといけないでしょう。
キャリアプランが描きにくい
NPOでの仕事を通じて役職を上げて昇給したい、スキルアップしたいなどのキャリアプランが描きにくくなっているのが実情です。主な理由は以下の3点です。
- 組織内の研修や人材育成制度が整ってなく、スキルアップは就労時間内外での自発性が求められる
- 有給職員5名以下の団体が多く、昇進に限界がある
- 人材が慢性的に不足しており日々の業務で手一杯になっていまう
また、NPONGOから企業への転職が難しいと言われることもあります。要因の1つはNPOでの仕事は社会的に認知をされておらず社会的評価が低いからです。
NPO=ボランティアという固定観念があり、企業側の採用者はNPOでどんな活躍をしてきたのか、成果が出せるのかをイメージしづらいと聞いたことがあります。
参考:NPO以外の民間企業でも社会の役に立つ仕事はある
NPOの給与形態や福利厚生では将来が不安……という方は、プロの転職エージェントに社会に役立つ仕事について相談してみるのも一手です。
そもそもの話ですが、社会の役に立つ仕事をしているのはNPOだけではありません。最近ではSDGsに取り組む民間企業も増えてきています。環境問題や教育、医療、介護など社会問題の解決に貢献できる仕事はたくさんあります。
特におすすめなのが転職活動が社会貢献に繋がる転職エージェント「フミダス寄付プロジェクト」です。採用企業からの費用のうち10%が公益財団法人を通じて社会貢献活動を行う団体へ寄付されます。転職エージェントに対して、「社会の役に立つ仕事がしたい」と伝えて面談をしてみるのもおすすめですよ(相談は無料)!
フミダスプロジェクトについて、NPOで働く!編集部の解説を読みたい方はこちらの記事をご確認ください。
NPOへの転職に使えるおすすめ求人情報サイト
ここからはNPOへの転職に使える、おすすめの求人情報サイトについて紹介します。
PARTNER(パートナー)
外務省管轄のJICA(ジャイカ)が運営する、国際協力分野で働いてみたい人のための総合情報サイトです。国際協力に関する求人情報はもちろんのこと、スキルアップのための研修情報などが掲載されており、国際協力に興味がある人はまず登録すべきサイトです。
WANTEDLY(ウォンテッドリー)
ミッションや共感を軸に企業を探せる求人サイトです。いきなり選考をするのではなく、まずは会社を訪問するなどカジュアルな関係から転職活動をスタートできるのが大きな特徴です。
2023年8月時点でNPOの求人は200件以上も掲載されているだけではなく、社会貢献を目的とした「ソーシャルビジネス」に取り組む企業も登録されているため、幅広い選択肢から求人を探せるのもメリット。
条件や待遇は一旦置いておいて、まずはミッションや会社のカルチャーなどを軸に仕事探しをしたい人におすすめです。
NPOで働きたい!と思ったときによくある疑問
ここでは、NPOで働くうえでよくある疑問に答えていきます。
NPOとは?収入はどこから?
NPOの財源は主に3つあります。事業収入、寄付・会費、助成金です。NPOの財源の特徴は寄付・会費です。寄付は団体が活動をするための財源のみならず、寄付者は各団体が解決する問題への応援をしてくれるファンでもあるのです。
収入に関する詳細は、こちらの記事をご一読ください。
NPOの給料は?
NPO=ボランティアと思われがちですが、有給職員として働いている人もいます。職員の給料は、上記であげた財源(事業収入、寄付・会費、助成金)から人件費として支払われています。NPOの給料に関する詳細は、こちらの記事をご一読ください。
NPOの仕事内容は?
国内外、様々な問題解決に取り組むNPOの仕事は、支援に直接携わる以外にも、様々な仕事があります。例えば途上国で子どもの教育支援をするNGOでは、実際に支援する国に住みながら現地のニーズを聞き出し、必要な支援事業をおこないます。
現地の仕事のみならず、日本国内でも仕事があります。NPOも企業同様に様々な事務作業があり、またPRや広報、支援者や寄付金を集めるファンドレイジングといった仕事もあるのです。
NPOの仕事内容に関する詳細は、こちらの記事をご一読ください。
キャリアはどう描く?
人の役に立つ仕事がしたい!と思い、NPOでの仕事を考えている人は多いかもしれません。
NPOでの仕事以外にも、ビジネスで社会課題解決をするソーシャルビジネスや、ソーシャルワーカー、企業のCSRやSDGs推進部署に携わるなど、社会の役に立つ仕事は様々です。
また、転職をする際に企業からNPOや逆の転職例もあるので、NPOだけでキャリアを考える必要はなくなってきました。もし、人の役に立つ仕事をしたい!という人は、こちらの記事をご一読ください。
転職が初めてで何から手を付けたらいいのか分からない、という20代の方はマイナビジョブ20’sの利用がオススメです。24~29歳に特化した求人が豊富で、専任のアドバイザーが転職完了までしっかりとサポートしてくれます。
マイナビジョブ20’sについての編集部の解説を読みたい方は、こちらの記事をご覧ください。